特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅺ章 高齢者の在宅医療とエンドオブライフケア
6.在宅医療の看取り
佐々木 淳
1
Jun SASAKI
1
1医療法人社団悠翔会
pp.1052-1058
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1052
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Summary
▪在宅看取りに対する社会的な関心が高まっている.延命治療によって生存期間を延ばすというのではなく,人生の最終段階においても主体的に生活を継続するという選択をしたいという患者が増えている.
▪看取り援助とはすなわち生活支援であり,医療の役割は限定的である.医師には,治療的介入よりは,アドバンスケアプランニング,意思決定支援,緩和医療などのスキルが求められる.
▪死亡者数の増加という切迫した現実もあり,在宅看取りは医師の社会的使命の一つである.在宅医療は24時間対応の負担からその普及が進まないが,休日夜間対応を地域で共有するなどの取り組みを通じて,持続可能な在宅医療提供体制を構築していく必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018