連載 Focus On
身体表現性障害を外来で診る
加藤 温
1
1国立国際医療研究センター病院総合診療科/精神科
キーワード:
心気妄想
,
詐病
,
認知行動療法
Keyword:
心気妄想
,
詐病
,
認知行動療法
pp.1377-1381
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1377
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日常診療において,身体症状を訴えて受診したが,あらゆる検査をしても明らかな異常がみつからない患者を診ることは決して珍しくないであろう.この一群を精神科では身体表現性障害という.日々の忙しい診療のなかで,あまり歓迎されないタイプの患者である.しかし,身体表現性障害について知り,その対応法の基本を理解しておけば,それほど恐れることはない.
治療の基本原則は,薬剤投与ではなく患者との語りにある.現時点では命に関わる重篤な身体疾患はないと保証し,症状をもちながらも日常生活を送っていくことができるように支えていくという方向性である.
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