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English
短報
新型コロナウイルス感染症を主題とした妄想を伴う退行期メランコリーの1例
A Case of Involutional Melancholia with COVID-19-related Delusions
永野 渓舟
1
,
大澤 達哉
1
,
針間 博彦
1
Keishu Nagano
1
,
Tatsuya Osawa
1
,
Hirohiko Harima
1
1東京都立松沢病院
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
退行期メランコリー
,
involutional melancholia
,
罪業妄想
,
delusion of guilt
,
心気妄想
,
hypochondriacal delusion
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
Keyword:
退行期メランコリー
,
involutional melancholia
,
罪業妄想
,
delusion of guilt
,
心気妄想
,
hypochondriacal delusion
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
pp.1413-1416
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206206
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抄録 世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を妄想主題とした退行期メランコリーの1例を報告する。40代女性の患者は,同感染症に関する緊急事態宣言の発令に前後して,同感染症に罹患し周囲に感染させたという心気・罪業妄想とそれに伴う不安・抑うつが急性に出現した。自殺企図の出現を契機に入院し,抗精神病薬と抗うつ薬の併用投与により状態は軽快し退院した。うつと妄想を中心とする病像はいわゆる退行期うつ病に相当するが,主症状である罪業妄想がうつに伴って二次的に生じたのではない一次性の妄想であることから,特に退行期メランコリーと診断し得る例と考えられた。
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