1枚のシェーマ
術前放射線化学療法後のダブルスリーブ
安孫子 正美
1
1公立置賜総合病院
pp.358
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu78_358
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卒後12年目,基幹施設から関連施設に1年間出向した際の左肺門部扁平上皮癌の患者であった.病巣は肺門部リンパ節と一塊(cN1)で,そのままでは左肺全摘となりうる症例であったので,術前放射線化学療法(CRT)を選択し,ダブルスリーブ切除を行って下葉を温存した(図1).肺動脈の切除範囲が長く,A6と底幹肺動脈幹を主肺動脈にメガネ状に端々吻合した.したがって気管支吻合部との間隙に被覆を行うと肺動脈吻合部の圧迫狭窄が懸念され,気管支吻合はテレスコープ吻合を行って被覆は行わなかった.術後の内腔所見では,吻合部に多少の段差がみられたが,経過に問題はなかった.
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