1枚のシェーマ
成人期の大動脈スイッチ手術
小出 昌秋
1
1聖隷浜松病院心臓血管外科
pp.278
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu77_278
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症例は35歳,男.完全大血管転位症(TGA)Ⅱ型に対するRastelli型手術後,導管狭窄に対する再々手術であった.当初は導管交換のつもりでいたが,術前のCTで左室から旧肺動脈へのルートが残存していることがわかり,そこを流出路として修復術を行う方針とし,Rastelli takedown+大動脈スイッチを企図して手術に臨んだ.旧肺動脈基部は狭小で,パッチ拡大を行ったうえで,大動脈弁置換術(AVR)と左冠状動脈移植を行うなどの工夫を要した(図1).術後10年以上経過しているが,患者はとても元気に仕事をされている.
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