1枚のシェーマ
右上葉切除後膿胸に対する府中法を応用した根治術
佐藤 伸之
1
1青森県立中央病院呼吸器外科
pp.510
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu75_510
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筆者は20歳台の最後を清瀬市の国立療養所東京病院(現国立病院機構東京病院)に勤務し,一般にはあまりみられない感染症に対する手術を多く経験することができた.その一つに空洞内アスペルギルス症に対する胸郭成形+空洞切開+筋充塡術(当時の都立府中病院にちなんで府中法と呼んでいた)がある.肋骨を十分に切除後,空洞を切開し内腔を清浄化,瘻孔に肋間筋弁を当て閉鎖する.空洞壁を十分切開して空洞内に折りたたみ,肋間筋,足りなければ広背筋などを隙間に充塡し,表面からも圧迫することで完全に空洞を閉鎖する方法である.肺切除に比べて侵襲が小さいのが利点である.
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