1枚のシェーマ
Transmanubrial approachによる肺尖部肺癌切除
岡田 克典
1
1東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野
pp.932
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu71_932
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Grunenwaldらにより肺尖部肺癌に対するtransmanubrial osteomuscular sparing approachが報告されたのは1997年であるが1),当施設で最初にこのアプローチを適用したのは2008年の本例であったようである.この方法では,胸骨柄をコの字に切断するとともに,第1肋骨を前方で切断する.術側の胸骨柄と鎖骨頭を一塊として頭側・外側へ牽引しながら,鎖骨に沿ってその尾側で大胸筋を切離していくと,図1に示すように第1肋骨,鎖骨下動静脈ならびに腕神経叢が術野に露出する.これ以後,腕神経叢由来の悪性神経腫,縦隔腫瘍2)などを含め8例で本アプローチを経験したが,いずれの症例でも良好な術野展開を得ることができた.
© Nankodo Co., Ltd., 2018