胸部外科医の散歩道
癌は続くよいつまでも―生きている限り
幕内 博康
1
1東海大学
pp.551
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu71_551
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- 文献概要
1994年の秋,福岡大学筑紫病院の八尾恒良教授より突然お電話をいただいた.「幕内先生,ちょっと診てもらいたい患者がいるのですが,いつ往かせたら良いですか」.八尾先生からの依頼である.翌週の外来日を申し上げ,早速予約を入れた.小生は当時未だ助教授であり,何かいえる立場ではなかった.もちろん教授であったとしても何もいえるわけもない.少し話が横に逸れるが,当時八尾先生は恐い先生で通っていた.その他,恐い先生といえば竹本忠良先生,白壁彦夫先生,土屋雅春先生などが挙げられるが,いずれも内科の先生であり,内科医は恐い先生が多い.そういえば以前鹿児島で開催された日本消化器病学会総会のシンポジウムで,司会が竹本,白壁,八尾と三巨頭揃い踏みという時があった.小生も演者の一人として発表させていただき,食道の内視鏡診断について述べた.小生は何とか無難に発表を終えたが,竹本先生にこっぴどく叱られた某助教授もいた.これほど恐ろしいシンポジウムは空前絶後といえる.
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