臨床実習改善のために
問題は限りなく続いている夜間進学コースの実情
山形 静子
1
1慈恵高等看護学院(本科進学コース)
pp.45-48
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905428
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近における看護婦の不足はますます深刻になり,看護制度上の問題としてあらゆる方面から論議されている。とくに准看護婦を看護婦に昇格させる問題については,看護婦に対しその数的に占める率が大きいだけに,今後もなお検討されなければならない課題でもあろうと思う。准看護婦から看護婦になる道として,進学コース(2年課程)設置の制度が設けられたのは昭和32年であるが,このコースへの入学生は経済的問題による勉学のきびしさを体験し,また進学したい准看護婦が,それをはばむ理由としてはやはり経済的問題による場合が最も多く挙げられていたようであった。したがって,経済的理由が支障となって進学を断念していた准看護婦にとっては,収入の道を絶っことなく勉学を続けていくことの可能な学校の設置が望まれたことであろう。こうした考えから,当学院では1昨年(38年)9月,3年課程(本科)に夜間進学コースを別科として併設したのである。以来1年有余,先般9月,第2回生をむかえたわけであるが,夜間進学コースの教育については,2年課程の進学コースとはまたちがった問題も少なくない。月日の経つにつれて,種々な問題を現実において善処していかなければならない心の忙しさを感じている昨今,たまたま医学書院編集部の方から「夜間進学コースの問題点」について一筆書くようにとのことで,ここに2,3の実情を述べ,読者の皆さまよりご意見,ご指導をいただきたいと思う。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.