特集 がん薬物療法の看護 ~“意思決定につなぐ力”で実践!~
乳がんの薬物療法における意思決定を支える看護② 乳がん周術期/転移・再発後における薬物療法 ~ホルモン受容体陽性HER2陰性乳がん 内分泌療法+CDK4/6阻害薬を例に~
山本 瀬奈
1
Sena YAMAMOTO
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
pp.35-38
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_35
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疾患,治療,レジメンに関する基本知識
乳がんの内分泌療法はホルモン受容体陽性乳がんに対して有効な治療法であるが,なかでもHER2陰性乳がんにはサイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase:CDK)4/6阻害薬の上乗せ効果が期待できる.そのため,ホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんの治療として,再発高リスクの場合の周術期薬物療法と転移・再発治療(主に1次もしくは2次内分泌療法)に内分泌療法薬+CDK4/6阻害薬が処方されている.CDK4/6阻害薬は分子標的治療薬であり,アベマシクリブとパルボシクリブが国内で承認されている(2025年7月現在).CDKとは細胞周期調節因子の一つとして知られる酵素で,CDKの活性化ががん細胞の無秩序な細胞分裂に関与している.CDK4/6阻害薬は,CDK4およびCDK6(細胞周期のうちG1からS期への移行にかかわるCDK)の働きを特異的に阻害することで細胞周期を停止させ,がん細胞の増殖を抑制しようとするものである.

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