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第1土曜特集 乳癌のすべて2024
最新の治療
HR陽性HER2陰性転移再発乳癌薬物療法における新たな羅針盤
-――クローンレベルでの戦いの幕開け
A new compass for treatment of HR-positive/HER2-negative metastatic breast cancer
――The dawn of the clone wars
吉波 哲大
1
Tetsuhiro YOSHINAMI
1
1大阪大学医学部附属病院がんゲノム医療センター,同乳腺・内分泌外科
キーワード:
転移再発乳癌(MBC)
,
薬物療法
,
循環腫瘍DNA(ctDNA)
,
耐性クローン
,
分子標的薬時代
Keyword:
転移再発乳癌(MBC)
,
薬物療法
,
循環腫瘍DNA(ctDNA)
,
耐性クローン
,
分子標的薬時代
pp.427-432
発行日 2024年8月3日
Published Date 2024/8/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290050427
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ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性転移再発乳癌(MBC)の治療は,内分泌療法を含めた分子標的薬が主体となってきた.従来の細胞傷害性抗癌剤が主体であった時代では,主に腫瘍の大きさにより治療が変更されていたが,分子標的薬が主体となる時代には,腫瘍の質的変化も指標とした治療戦略を構築する必要があることがPADA-1試験で示された.現在,血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA)解析の技術が進歩し,非常に高感度に癌のクローン変化を捉えることができる.HR陽性HER2陰性MBC治療中に連続的なctDNA解析により,癌の状態をより精密に把握し,画像上の増大を待たずにその変化に対応するより動的な治療が,HR陽性HRE2陰性MBCの予後改善につながる可能性がある.癌とのクローンレベルでの戦いを見据えた新たな羅針盤を利用した治療戦略が求められている.
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