特集 がん薬物療法の看護 ~“意思決定につなぐ力”で実践!~
乳がんの薬物療法における意思決定を支える看護① 乳がん周術期における化学療法 ~HER2陰性乳がん AC/EC療法,PTX療法,DTX療法を例に~
佐々木 理衣
1
Rie SASAKI
1
1独立行政法人宮城県立がんセンター看護部/がん看護専門看護師
pp.31-34
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_31
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疾患,治療,レジメンに関する基礎知識
乳がん周術期薬物療法は,潜在的な「微小転移」の根絶・制御により乳がんの治癒を目指す1)集学的治療の一つである.予後予測因子(浸潤径,リンパ節転移状況,組織学的grade,ER,PgR,HER2,Ki67)を評価し,サブタイプ分類(luminal A,luminal B,HER2陽性,トリプルネガティブ)に応じた薬物療法の選択がなされる.
術前化学療法の利点は,腫瘍がある状態で行われることから治療効果を確認し,術後の治療計画を再考できることである.またstage Ⅰ~ⅢAの早期乳がんでは腫瘍縮小により乳房温存率が向上するという整容性の観点から,stage ⅢB,ⅢCの局所進行乳がんではダウンステージによる手術適応拡大の目的で行われる.
昨今,インターネットなどの多様な媒体から正確性を問わず情報を集められるようになり,不安が高まる患者も多い.患者自身が「自分の乳がん」を理解し治療に取り組めるよう,心理的サポートを行いながら情報整理を支援していくことが意思決定支援のポイントとなる.

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