連載 ガイドラインを読み解いて活かす! がん患者の精神・心理ケア【4】
がん患者の気持ちのつらさの評価と薬物療法のポイント
~「がん患者における気持ちのつらさガイドライン2024年版」を読み解く~
小早川 誠
1
,
倉田 明子
2
,
荒井 幸子
3
,
樅野 香苗
4
1広島赤十字・原爆病院精神科
2広島大学病院精神科/緩和ケアセンター
3横浜市立大学附属病院薬剤部
4名古屋市立大学大学院看護学研究科
pp.197-200
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_197
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はじめに
日本サイコオンコロジー学会は,日本がんサポーティブケア学会との合同プロジェクトの一つとして,「がん患者における気持ちのつらさガイドライン2024年版」(金原出版,以下ガイドライン)を発刊した.本稿はがん患者に接する医療従事者,とくに看護師がこのガイドラインを活用できるよう解説している.ガイドラインは是非御一読いただきたい.
気持ちのつらさはpsychological distressの邦訳であり,精神心理的苦痛と同義である.ガイドラインでは気持ちのつらさへの介入方法について9つの臨床疑問を扱っており,この企画では「薬物療法」「多職種による介入」「再発恐怖」を取り上げ,3回にわたって連載する.なお,気持ちのつらさは通常に体験する心理反応から治療や生活に支障をきたす程度のつらさまで幅があり,ガイドラインでは介入が必要な程度のつらさとして「閾値以上の気持ちのつらさ」という表現を用いている1)(図1).

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