連載 遺族の声を臨床に活かす ~J-HOPE4研究(多施設遺族調査)からの学び~ 【#25】
肺炎と発熱 【付帯研究43】緩和ケア病棟入院中の進行がん患者に行った肺炎治療や死亡前1週間に生じた発熱への対応に関する遺族の考えを明らかにする質問紙研究
pp.515-518
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_515
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付帯研究43
緩和ケア病棟入院中の進行がん患者に行った肺炎治療や死亡前1週間に生じた発熱への対応に関する遺族の考えを明らかにする質問紙研究
伊藤 奈央*1,小田切拓也*2
*1岩手医科大学看護学部共通基盤看護学講座/がん看護専門看護師,*2西濃厚生病院緩和ケアセンター
はじめに
緩和ケア病棟に入院中のがん患者は発熱の頻度が高く,がんの進行による苦痛だけでなく倦怠感や筋肉痛,悪寒や発汗などの症状もみられる.発熱は肺炎や尿路感染などの感染症,腫瘍熱が原因の場合もあるため,適切な治療には鑑別のための検査が必要となることが多い.感染症治療のための抗菌薬使用はほかの治療と比較して負担が少ないと考えられていることから1),終末期の患者に対しても使用されているが,抗菌薬の有効性は限定的との見方もあり意見が分かれている2-4).また,緩和ケア領域において抗菌薬の適切な使用に関する明確なガイドラインは存在しておらず,終末期における抗菌薬使用について倫理的な課題がある5).緩和ケア病棟では患者や家族の意向を確認し,多職種で治療方針を検討するが,とくに抗菌薬の使用については,検査や点滴のための穿刺などの侵襲を伴うこともあるため,患者の負担や家族の不安への配慮が必要となる.
わが国では,緩和ケア病棟に入院中の進行がん患者に行った肺炎治療や死亡前1週間に発熱をきたしたときの対応について,患者や家族の思いは明らかにされていない.

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