連載 直腸がん患者への術前アプローチとストーマ・排便障害のリハビリテーション 【2】
ストーマ造設が必要な直腸がん患者への術前教育
松原 康美
1
1北里大学健康科学部看護学科/がん看護専門看護師,皮膚・排泄ケア認定看護師
pp.205-209
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_205
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はじめに
ストーマ造設に伴う障害は,術前に予測できるため,手術を受ける前から個別的な相談とストーマケアおよび日常生活に関する情報提供が必要である.しかし,急性期病院では在院日数がますます短縮化し,入院後にストーマ造設が必要な直腸がん患者への術前教育(以下,術前教育)を行うことが困難になりつつある.
全国の皮膚・排泄ケア認定看護師を対象とした調査によると,ストーマ造設予定患者への入院前の術前教育を実施しているのは24%であり1),わが国では術前教育が普及しているとはいえない現状がある.医療現場の限られた人材・時間・場所の中で,術前教育をどのように実施していくかは課題である.そこで本稿では,術前教育の目的と有用性,術前教育の実際について概説する.

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