連載 がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【29】
My experience at the 49th Oncology Nursing Society annual congress ~海外学会参加の準備,出会い,米国での新規承認薬剤情報~
菅野 かおり
1
1日本看護協会神戸研修センター
pp.197-203
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_197
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はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが2020年3月に宣言されてから,国内外学術集会のほとんどはオンラインあるいはオンデマンドでの開催となった.感染予防や経費,時間などが節約できる一方で,海外のオンコロジーナースとの交流はほとんどなくなってしまった.また,ここ数年は米国の物価高騰に加えて円安が加速していることもあり,海外の学会参加は非常にハードルが高い.筆者はオンコロジーナースになって以降,米国がん看護学会学術集会[ONS (Oncology Nursing Society) annual congress]にほぼ毎年参加していたが,この4年間は日本の学会に参加する,あるいはオンラインでの参加,インターネットを使っての情報収集が主流となっていた.
自身の専門であるがん薬物療法看護の分野では,新規抗腫瘍薬の開発や早期承認は欧米が先行しているため,できるだけ早く海外の情報を収集する必要がある.また,他国のオンコロジーナースとの情報共有やディスカッションは自身の考え方や知識を見直すよい機会となっており,4年間というloss timeは仕事や学習のモチベーションにネガティブな影響を及ぼしたと感じている.そこで,2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したタイミングで自身の海外学会参加を再開することにした.
今回は2024年4月に参加した49th ONS annual congressについて,学会参加の準備や現地の状況,オンコロジーナースとの再会,がん薬物療法薬セッションの内容を紹介する.
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