リレーエッセイ がん看護CNS奮闘中 ~がんとともに社会で生きる患者を支えるための調整~ 【2】
第2回 大学病院での調整②
仲間とともにつなぐ,支える
塗木 京子
1
1久留米大学病院 緩和ケアセンター/がん看護専門看護師
pp.198-199
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_198
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自己紹介
私は,2011年にがん看護専門看護師(以下,OCNS)の認定を受けました.サブスペシャリティは緩和ケアです.私が,緩和ケア(当時はターミナルケア)を勉強しようと思ったきっかけは,学生時代初めての実習で担当させていただいた患者のAさんです.初めての実習で何もわからず,指導者から怒られてばかりの私を優しく受け止め,実習が終わってからも「元気にがんばっているだろうか」と心配してくださっていたAさんが亡くなったとき,Aさんに対してできなかったことを,ほかの患者さんへの看護でお返しをしたいと思い勉強を始めました.そして,研修会や学会での講演でOCNSの先輩方から語られる実践に「いつか私もあんなふうに看護を実践し,看護を語れるようになりたい」と憧れを抱くようになりました.
1998年に,当院に緩和ケア病棟ができ,念願の専門的緩和ケアに携わることができるようになりました.さらに,2007年に緩和ケアチームが立ち上がり,専従看護師となりました.一般病棟でも質の高い緩和ケアを提供できるようにしたいと意気揚々とラウンドを始めましたが,自分の看護を相手に伝えることのむずかしさに直面しました.そんなときに,OCNSの先輩方の講演を思い出し,一念発起して大学院進学を決めました.現在は,緩和ケアセンターに所属し,主に通院中のがん患者さんの相談業務を担当しています.
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