特集 いま知っておきたい がんのリハビリテーション最新 Tips
Ⅱ.がんのリハビリテーション最新 Tips
小児・AYA世代のがん患者のリハビリテーション最新 Tips ~復学・復職支援において着目すべき中・長期的な認知機能の問題と支援~
田畑 阿美
1
Ami TABATA
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻/認定作業療法士
pp.633-636
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_633
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はじめに
小児がん患者の生命予後は改善しつつある.その一方で,小児がん生存者に関する研究であるchildhood cancer survivor studyでは,全生存者の合併症の累積発症率は,がん診断後30年で73.4%にも及ぶことが示されている1).つまり,長期的な視野での支援を必要とする小児および思春期・若年成人(adolescent and young adult:AYA)世代のサバイバーが多く存在することを意味する.
小児がん経験者の晩期合併症(late effects)は,二次がんや内分泌障害など,多種多様にあらゆる臓器に生じる可能性がある.なかでも認知機能障害は,目に見えず,気づかれにくい晩期合併症の一つとして,医療専門職種が日々のかかわりのなかで注意しておく必要がある.
本稿では,小児・AYA世代のがん経験者の復学・復職支援において着目すべき中・長期的な認知機能の問題と支援について紹介する.
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