特集 がん薬物療法の看護技術
第Ⅰ章 投与管理
CVポート×トラブルシューティング
朝鍋 美保子
1
1国立がん研究センター中央病院看護部/がん看護専門看護師,がん化学療法看護認定看護師
pp.415-419
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_415
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はじめに
中心静脈ポート(central venous port:以下,CVポート)は,がん薬物療法のみならず,中心静脈栄養(total parenteral nutrition:TPN)などにおいても広く活用されるようになってきている.CVポートの使用が拡大してきた背景には,①がん薬物療法の治療の場が,入院から外来そして在宅へとシフトしてきていること,②がん薬物療法の発展に伴い,がん薬物療法を継続する期間が長期化し,末梢静脈からの投与のみでがん薬物療法を継続することがむずかしくなってきていること,③CVポートは,中心静脈カテーテルと構造および投与システムが異なり,皮膚の表面上にカテーテルなどのデバイスが露出していないため,日常生活への影響が最小限で済むことが考えられる.また,CVポートの管理においては,医療施設内で医療者が管理するだけではなく,外来および在宅において,患者・家族が管理することも多くなってきている.よって,患者・家族がCVポートの管理を適切に行えるように,説明ツールの準備,トラブル発生時の対策などを検討しておくことが重要である.
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