特集2 5年目までにマスターしたい! がん看護技術
CVポートの管理
嘉山 雅子
1
,
佐久間 ゆみ
2
Masako KAYAMA
1
,
Yumi SAKUMA
2
1神奈川県立がんセンター看護局,血液内科腫瘍内科病棟/がん化学療法看護認定看護師
2神奈川県立がんセンター看護局,呼吸器内科・脳神経外科病棟/がん化学療法看護認定看護師
pp.312-315
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_312
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はじめに
CVポートは,中心静脈カテーテルの一種で,正式には皮下埋め込み型ポート(central venous port)という.CVポートの基本構造は,中心静脈カテーテルと,ポート本体からなる.ポート本体は図1のように針を刺すシリコンセプタムと,薬液をためる内室(チャンバー)があり,セプタムに専用の針(ヒューバー針)を穿刺し薬剤を投与する.主に鎖骨下静脈,内頸静脈の血管からカテーテルを挿入し,ポートを胸部の皮下に埋め込むが,血管により腕や大腿などの部位も選択されることがある.
CVポートの利点として患者のQOLを損なうことなく,安全かつ簡便に繰り返し薬剤を投与することができるとされ,抗がん薬の投与や,長期にわたる中心静脈栄養などを行う場合に用いられる.とくに繰り返しの抗がん薬治療で末梢静脈血管の確保がむずかしい場合や,長時間レジメン実施時,さらにがんの進行に伴う低栄養状態の場合に,CVポートがあることで中心静脈への薬剤投与を安全,簡便に実施できる.
しかし,CVポート留置に際しては皮膚の切開など患者の身体への負担や,異物の体内留置に伴う感染リスク,さらにポート本体の破損やカテーテルの断裂などの合併症がある.そのため静脈注射・点滴など診療の補助業務を担う看護師にはCVポートの管理に関する知識・技術を習得することが求められる.ここでは抗がん薬投与時の手順となるポイントを示していく.
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