案件から学ぶ医療事故の対策と問題点 
                        
                        
                
                  
                  
                  
                  
                            
                                    
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    点滴の血管外漏出による手背潰瘍例
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                向井 秀樹
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.1028-1029
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 2025年11月1日
                  Published Date 2025/11/1
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000004312
                
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- 文献概要
・生後6カ月の乳児,家庭内感染で,新型コロナウイルスに罹患している.
・発熱,咳嗽や鼻汁が続き,哺乳量や尿量が減少し脱水傾向が進行したため,母親とともに同室に入院となる.左手背より輸液ポンプで,ヴィーン®Dを20mL/時間で開始する.
・点滴管理は,3~4時間ごとに訪室して,左手背の点滴刺入部と周辺の腫脹を確認.消灯時間は入眠のみ確認し,その後の訪室はしていない.
・最終確認から6時間後に,手背から上腕部にかけて腫脹を認めたため,母親に点滴漏れを説明.点滴刺入部のテガダームを剝がすときに,慌てて固定していた皮膚面を剝離する.
・その後,手指から手掌にかけて暗赤色に変色,肘関節には衣服のゴム痕を認める.当直医がリンデロン®VG(RVG)軟膏を処方する.
・同院の皮膚科医が往診する.外用を変更し,フィブラスト®スプレーとメビレックス®ライトを貼布し,創部を包帯で保護する.
・退院後に他院の形成外科を紹介受診する.傷の修復に6カ月を要し,その後の瘢痕に対して整容的な観点で手術を考慮する.早期の手術は傷痕がいびつになる危険性を説明される.
(「経過」より)
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