増刊号 実践に活かすアドバンス・ケア・プランニング
第Ⅳ章 ACP実践に活かす意思決定支援
意思決定支援に関するガイドラインとがん領域のACP
小川 朝生
1
1国立がん研究センター東病院精神腫瘍科
pp.147-152
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_147
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はじめに
超高齢社会を迎え,エンドオブライフ・ケアを推進するながれの一環として,アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning:ACP)に関する議論が行われるようになってきた.ACPは,たとえ本人の病状が悪化をして意思表示がむずかしくなったとしても,なお本人の意向を治療やケアに反映させることを通して,本人の療養生活の質を高める取組みであり,意思決定支援の活動そのものである.わが国では,人生の最終段階におけるケアとして推進され,その具体化が地域や医療機関で検討されている.しかし一方で,「どのようにすれば意思決定の支援につながるのかわからない」との疑問も聞かれることが多い.ここでは,「どのような支援が本人の意思決定に役立つのか」意思決定支援のルールとその実践のあり方について概要をまとめてみたい.
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