増刊号 実践に活かすアドバンス・ケア・プランニング
第Ⅲ章 ACPを組織(地域)で推進する
地域でACPをどう推進するか ~地域密着型病院による地域を「つなぐ」取り組み~
根岸 恵
1
1聖隷横浜病院看護相談室/がん看護専門看護師
pp.143-146
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_143
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はじめに
当院は急性期・緩和ケア・回復期リハビリテーション・地域包括ケア病棟をもつ360床のケアミックス病院である.2018年10月から入院患者全員に事前指示書を配布し,がんや心不全,腎不全など命にかかわる重篤な疾患の患者だけでなく,骨折や胆石,白内障など一般的な疾患の患者にも,入院を機に「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」を知ってもらう仕掛けをつくり,年間2,000名以上の患者が事前指示書を記載し,医師や看護師とACPを行っている.しかし,院内で行ったACPを地域の医療介護関係者につないだり,地域で行ったACPを病院で引き継いで話し合ったりすることはまだまだ少ない.
ここでは,当院が位置する横浜市や保土ケ谷区のACPの取り組み,そして,がん診療連携拠点病院や地域の医療介護専門関係者との連携を通して患者の意向を「つなぐ」取り組みを紹介し,地域におけるACP推進について考える.
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