実践報告
地域密着型病院における医療連携マーケティングの実践研修
佐野 哲
1
1法政大学経営学部
pp.446-449
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210119
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要旨
地域包括ケアシステムへの対応が求められるなか,地域医療連携の拡充を目的として,医療連携の現場に,マーケティングのノウハウに基づく改革メソッドの導入を試みた.
ここで提案する「医療連携マーケティング」は,従来型(メーカーなど営利企業向け)のマーケティング理論の基本的な体系と構造を維持しつつ,医療機関向けに一部アレンジを加えた手法である.プロダクトを置き換えたポートフォリオ概念(「診療力」の文書化)を軸に,病院において広く普及しているパス制度(「クリティカルパス」の援用)をプレイスに代えて取り込み,多様な「営業ツール(文書)」を開発しながら,連携プロモーション活動の有効性を引き出していく新たな枠組みである.
大都市に立地する地域密着型の中小病院において,オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)研修として実践したところ,医療連携に基づく新規紹介患者数の伸びや病床稼働率の向上に資することが確認できた.
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