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投稿 調査報告
遺伝性乳がん卵巣がん症候群と診断された家族をもつ未発症女性の遺伝学的検査受検および診断後の体験
Genetic testing and post-diagnosis experiences of unaffected women with families diagnosed with hereditary breast and ovarian cancer syndrome
藤村 真瑚
1
,
佐藤 冨美子
2
,
吉田 詩織
3
,
島田 宗昭
4
,
徳永 英樹
5
,
青木 洋子
6
,
新堀 哲也
7
,
津幡 真理
8
Mako FUJIMURA
1
,
Fumiko SATO
2
,
Shiori YOSHIDA
3
,
Muneaki SHIMADA
4
,
Hideki TOKUNAGA
5
,
Yoko AOKI
6
,
Tetsuya NIIHORI
7
,
Mari TSUBATA
8
1東北大学病院
2東北大学大学院医学系研究科がん看護学分野
3東北大学大学院医学系研究科がん看護学分野
4東北大学大学院医学系研究科婦人科学分野
5東北大学大学院医学系研究科婦人科学分野
6東北大学大学院医学系研究科遺伝医療学分野
7東北大学大学院医学系研究科遺伝医療学分野
8東北大学大学院医学系研究科遺伝医療学分野
pp.95-100
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_95
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本研究の目的は,遺伝性乳がん卵巣がん症候群と診断された家族をもつ,がん未発症女性のBRCA1/2遺伝学的検査受検および診断後における体験を明らかにし,看護支援を考察することである.
研究方法は半構造化面接によるインタビュー調査であり,ライフヒストリー法を用いて分析した.
この結果,研究参加者は血縁者の乳がん発症で実際にがんの闘病生活を見聞きしていたという背景があり,遺伝学的検査受検決定に際しては身近な他者からの後押しにより受検決定にいたっていることが示唆された.遺伝学的検査受検のメリットは「早期発見につながること」,「陽性だった場合のサーベイランスや予防的治療の確立」,「陰性だった場合の安心感の獲得」,「子どもへの遣伝の可能性の確認」であり,一方デメリットは「結果を聞くまで不安が増すこと」,「陽性だった場合に未発症であるにもかかわらず,自分の健康の評価が下がること」が挙げられた.また,遺伝カウンセリングでは,研究参加者はわかりやすい情報,また心情を表出しやすく,不安を軽減できる雰囲気を必要としており,医療者に求められる支援は,「対象者が理解しやすい情報提供」,「不安や心情を表出しやすい雰囲気作り」であった.
© Nankodo Co., Ltd., 2022