特集 最新産婦人科遺伝診療ABC
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)
近藤 春裕
1
,
右田 王介
,
鈴木 直
1聖マリアンナ医科大学 産婦人科学
キーワード:
BRCA1遺伝子
,
登録
,
遺伝学的検査
,
BRCA2遺伝子
,
遺伝性乳癌卵巣癌症候群
,
予防的手術
,
卵管卵巣摘出術
Keyword:
Genes, BRCA1
,
Salpingo-oophorectomy
,
Genetic Testing
,
Registries
,
Genes, BRCA2
,
Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome
,
Prophylactic Surgical Procedures
pp.81-88
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021086384
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BRCA生殖細胞系列病的バリアント保持者の女性における生涯の卵巣癌発症リスクは一般女性に比べ高率である。卵巣癌に対する確実な早期発見法はなく、進行卵巣癌の予後は決して良好ではない。一方、遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)は診断によってサーベイランス、リスク低減手術などの対応が可能な疾患概念である。2020年4月よりBRCA生殖細胞系列病的バリアント保持者の乳癌既発症者に対して卵巣癌発症予防を目的にリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が保険収載された。本稿では、産婦人科医に必要なHBOCの診断とRRSOの現状について解説する。
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