乳癌カレントトピックス
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)
山内 英子
1
1聖路加国際病院ブレストセンターセンター長
pp.53-56
発行日 2015年3月31日
Published Date 2015/3/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.01.01_0053-0056
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「はじめに」昨年(2013年),米国の人気女優アンジェリーナ・ジョリーさんがご自身の遺伝的背景から未発症の両側乳房を予防的に切除したことから,遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(hereditary breast and ovarian cancer syndrome:HBOC)について多くの関心が高まり,それと同時に遺伝性腫瘍という存在,遺伝子検査でのがんのリスクの予測,またその予防といったことに社会が高い関心をもつようになった。「アンジェリーナ効果」と言われているように,このことが社会で注目された結果,乳癌の臨床現場でも急速に診療体制が整ってきた。一方,遺伝子検査もdirect to customerの検査として,われわれ医療者の手を離れて,エビデンスレベルの判断もないまま,遺伝子検査ビジネスともいわんばかりに社会に蔓延しつつある。そのような時代の中で,医療者として正しい知識を提供し,正しい選択を促していくことが重要である。今回は,乳癌の日常診療での流れにそって遺伝子検査の現状と方法をまとめてみたい。
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