特集 「がん悪液質」を知ってケアに活かす ~病態・最新の治療を理解してケアをアップデート~
がん悪液質に対するリハビリテーション
立松 典篤
1
Noriatsu TATEMATSU
1
1名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻
pp.766-769
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_766
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がん悪液質に対するリハビリテーション
がん悪液質は,全身性炎症を背景とした代謝異常や食欲不振などにより,骨格筋や脂肪などの減少や運動機能低下などを引き起こし,抑うつなどの心理面にも影響をおよぼすことが少なくない.そのため,近年ではがん悪液質に対する集学的治療の必要性が高まっており,その1つとしてリハビリテーションが注目されている1,2).がん悪液質は臨床的に重要な3段階のステージ(前悪液質・悪液質・不応性悪液質)が定義されているが,いったん不応性悪液質へと進行してしまった段階では,効果的な治療的介入がむずかしいとされている.したがって,できるだけ早期に悪液質を診断し,予防的に運動療法を導入していくことが望ましい.本稿では,がん悪液質に対する運動療法の役割やベストプラクティスについて,紹介する.
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