特集 女性のがん ~治療とケアの最前線~
女性のがん特有のケア
がん治療後のウイメンズヘルス
白土 なほ子
1
SHIRATO Nahoko
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座
pp.577-580
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_577
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はじめに
平均寿命は,男女とも80歳を超え,今後もさらに延びると予想されているが,2001年から16年間の平均寿命と健康寿命の推移をみると,毎年,男性では約9年,女性では約12年の隔たりがある.国民衛生動向による死因の第1位は1981年以降,悪性腫瘍である.なかでも乳がん,子宮がんは増加傾向にあり,女性の悪性腫瘍の管理においては妊孕性の低下・消失,女性性の喪失感,ボディーイメージ・生殖機能への影響などによる身体的・心理社会的側面をも念頭に置いた対応が必要となる.とくに,がん治療後の女性ヘルスケアを考える場合,患者に寄り添って傾聴,情報提供,サポートをすることが重要である.
そこで本稿ではまず,エストロゲン,閉経,更年期症状といった用語について概要を述べ,がん治療後の更年期障害とそのサポートについて解説する.
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