特集 スペシャリストが伝えたい消化器の症状マネジメント
Ⅰ.患者さんからこう言われたら? ~口腔編~
口が乾く ~唾液分泌障害~
小林 成光
1
1防衛医科大学校医学教育部看護学科/がん看護専門看護師
pp.431-435
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_431
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事例 唾液分泌量低下による唾液分泌障害
Cさん.70歳代,男性.妻(専業主婦)と同居.肺がんに対しがん薬物療法を継続していたが,PD (progressive disease)となったため,今後は根治的な治療は行わず,緩和ケア主体の方針となった.腰背部の痛みがあり,半年前よりオピオイドの内服を開始.痛みの悪化に伴い鎮痛薬を徐々に増量しオキシコドン60 mg/日で内服を継続していた.今回,腰部の痛みが増悪したため,緩和ケア病棟へ入院となった.
担当看護師が入院時に問診をしていると,Cさんは5分ごとにペットボトルの水を飲む様子が見られた.担当看護師がその理由を尋ねると「口の中が乾く」と話し,続けて「おなかが張っているので水を飲みたくないが,口が乾いてしょうがない」と訴えた.また,家族は「何を話しているかわからないときがあるので,困ることがある」と話した.
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