連載 東アフリカ見聞録・1【新連載】
緑のブッシュと乾いたサバンナ
馬場 久敏
1,2
1福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
pp.54-55
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200443
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わが家の日本水仙は可憐な花を開き,実に甘い香りで包んでくれる.越前では水仙は古くから「雪中花」とも呼ばれ,由緒ある日本旅館の離れの部屋の名前などにもあてがわれる,実に風流で優雅な呼称である.日本人の感性は素晴らしい.花言葉は“神秘・自己愛”だそうで,冬の越前加賀海岸国定公園には野生種が群生し,“水仙街道”とも呼ばれる国道305号線にはこの時期,遠来の人びともそれ目当てに群れている.越前の人びとは,年末から正月にはほぼすべての家で水仙を生けており,拙宅もしかりである.その可憐な花は実に香しい.自宅脇の小さな“ポタジェ”では昨秋にオランダ産チューリップ200本,日本水仙100本を植え直し,それらを眺めながら東アフリカと関わってきた10年を想う.
大学を早期退職し,気ままに東アフリカを往来して人びとと関わりたく想い,はや1年が経った.昨年は小生たちが立ち上げたSICOT外傷医学マケレレ教育センター(ウガンダ)から日本とでテレビ会議での症例検討会を開始した.ここに至る10年の経緯では実にいろいろなことがあり,さまざまな人びとと交流をもつこともでき,それらが生き生きと想い起こされる.実に数多くの先輩諸兄からも支援をいただいてきたこと,今更ながらに感謝の気持ちで胸が一杯になる.
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