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連載にあたって
がん薬物療法は,まさに日進月歩であり,毎月のように新しいエビデンスが紹介され,標準治療が変わっていきます.現場で働く医療従事者は,標準治療をタイムリーにとらえ,適切に投与することが求められます.
がん薬物療法の看護のポイントとしては,標準治療であるかどうか,適切な投与スケジュールで行われているか,減量・延期基準が守られているか,副作用対策は適切か,患者さんへのオリエンテーションが適切になされているか,患者さんからの問い合わせに対して,適切なトリアージがなされているか,などが大切なところです.標準治療を的確に行い,副作用対策を適切に行うことが患者さんへ最善かつ安全な治療が届けられることになります.
本連載では,臓器別のがんに対しての,最新の薬物療法の標準治療と看護のポイントについて,現場にて,明日から実践できる内容を提供したいと思いますので,具体的にレジメン名,投与量,投与スケジュール,減量基準,副作用のポイント,FN(発熱性好中球減少)リスク分類,トリアージのポイントなど,現場で使えるべく実践的な内容といたしました.皆さんのケア向上に役立つものとなれば幸いです.
治療の全体像と薬物療法
ステージ別標準治療
ステージ1
手術→術後化学療法→ホルモン療法
ステージ2
(術前化学療法)→手術→術後化学療法→放射線療法,ホルモン療法
ステージ3
術前化学療法→手術,放射線療法→ホルモン療法
ステージ4・転移再発
化学療法,ホルモン療法+/-放射線療法
術前化学療法の適応は,一般的には,腫瘍径3 cm以上で乳房温存療法が困難と判断される場合である.術前化学療法が奏効し,腫瘍縮小が得られた際には,乳房温存療法が考慮される.
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