連載 シームレスに実践 ターミナルケア・グリーフケア 【6】
地域でのグリーフを支える教育活動 ~死別を支える地域基盤の育成に向けて~
小野 若菜子
1
1聖路加国際大学大学院看護学研究科 在宅看護学
pp.283-286
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_283
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
死別によるグリーフ(悲嘆)として抱く感情は,人それぞれ異なるものである.死に直面する痛み,家族と別れる痛み,不安や怒り,気分の落ち込みであったり,なんらかの後悔の念であったりする.また,家族員どうしでも死別の受け止め方はさまざまであり,終末期の意見の対立が胸の痛みとなり残ることもある.
大切な人との別れ(死別)は,私たちにとって避けられないものであるが,看取りや死別,緩和ケアやグリーフケアの知識をもっていることで,市民にとっては,グリーフと向き合う際の気持ちの助けとなり,専門職にとっては,よりよいケアの提供につながることが期待できる.そこで,本稿では,死別を支える地域基盤の育成という広い観点から,地域でのグリーフを支える教育活動について考えてみたい.
© Nankodo Co., Ltd., 2022