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事例紹介
事例 40歳代,男性,腎細胞がん
合併症と既往歴
特記なし
現在の状況
切除不能進行性腎細胞がんの1次治療としてオプジーボ®(ニボルマブ)+ヤーボイ®(イピリムマブ)併用療法が入院下で導入された.2コース目day 10頃からGrade 1の下痢が出現し,止瀉薬は使用せず経過観察できていた.その間もほかの目立った副作用はなく経過した.3コース目中もGrade 1の下痢は続き,オプジーボ®+ヤーボイ®併用療法による大腸炎が疑われるということで,4コース目を開始せず,プレドニゾロンによる対応を検討し,プレドニゾロン30 mg/日 1回(0.5 mg/kg/日)投与を行った.この日の空腹時血糖値は108 mg/dLと基準範囲内であることを確認している.また,オプジーボ®+ヤーボイ®併用療法開始以来,定期的に(1週間に1回)自己尿糖確認試験紙を用いて尿糖確認はしており,治療開始から直前まで陰性であることを確認していた.プレドニゾロン投与翌日,自己尿糖試験紙判定では尿糖2,000 mg/dL以上であることを確認した.体調不良にて緊急受診し,血液検査の結果,緊急入院となった.そのときの主な症状としては,悪心,口渇,脱水,昏睡が出現していた.
検査結果
緊急入院時の主な検査結果(【 】は施設基準値を示す):AST (GOT) 21 U/L 【13-30】,ALT (GPT) 35 U/L 【10-42】,LDH 253 U/L 【124-222】,Na 117 mmol/L【138-145】, K 6.7 mmol/L 【3.6-4.8】,BUN 56.1 mg/dL 【8.0-20.0】,Cr 3.59 mg/dL 【0.65-1.07】,尿酸 17.6 mg/dL 【3.7-7.8】,HbA1c 7.6% 【4.9-6.9】,血糖値1,802 mg/dL 【73-109】,尿中ケトン (1+)【(-)】, CK 966 U/L【59-248】, CRP 2.60 mg/dL 【≦0.14】,TSH 0.25μIU/mL 【0.37-3.50】, Free-T4 0.97 ng/dL【0.92-1.50】,コルチゾール 62.10μg/dL 【6.24-18.0】
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