特集 全身疾患と耳鼻咽喉科
Ⅲ.内分泌・代謝障害
3.甲状腺機能障害
窪田 哲昭
1
1昭和大学医学部附属藤が丘病院耳鼻咽喉科
pp.99-106
発行日 2000年4月30日
Published Date 2000/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902157
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はじめに
甲状腺腫を主訴とする患者は,近年,頸部腫瘤として耳鼻咽喉科を訪れる機会が増加してきた。甲状腺が腫大する疾患は図1に記したごとく様々であり,診察医はまず機能がどのような状態にあるのか頭に描く。しかし,結節性のものはPlum-mer病を除いては病変が両葉に進行し,甲状腺組織の大半を占拠しない限り機能障害は起こさない。障害を起こすものはび漫性の甲状腺腫であり,代表的なものとして機能低下をきたす慢性甲状腺炎と機能亢進を示すBasedow病が挙げられる。
また,甲状腺の手術を行う耳鼻咽喉科医にとって大切なのは,術後の甲状腺機能低下とその管理である。
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