リレーエッセイ こちらがん看護スペシャリスト奮闘中! ~新たな敵と対峙してがん医療を前進させる~ 【6】
がん医療の未来を守る
子どもたちからの後押しに奮起しながらチーム医療を芽吹かせる
栗田 直央子
1
Naoko KURITA
1
1静岡県立こども病院/小児看護専門看護師
pp.708-709
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_708
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自己紹介
私の学生時代には小児看護を希望する者が多かったため,まさか自分が小児病棟(実際には循環器小児科の集中治療室)に配属されるとは夢にも思っていませんでした.循環器小児科において循環動態から,子どもの全身を観察して看護することの大切さを知る一方で,経験は若いうちに積むことが大事,という言葉を胸に,看護師4年目のときに小児脳神経外科へ移動し,脳腫瘍の子どもたちとの出会いがありました.小児脳神経外科は脳腫瘍にとどまらず血管障害や機能障害まですべての脳外科疾患の子どもを対象としていたため,循環器小児科と同じくらい病態や症状をふまえた観察と根拠をもとにした看護実践が必要であると感じました.そして,脳腫瘍の子どもたちの伴走を通して,自身の看護の浅はかさや無知さも思い知らされた体験をきっかけに,小児看護をもう一度整理してみようと考え,大学院への進学を決めました.しかし,当時はCNSのイメージもついておらず,大学院入学の目的も漠然としており,学生時代は本当に苦労をしました.今はCNS 8年目ですが,CNS 6年目に小児専門病院へ転職し,小児がんの子どもの実践とは少し離れてしまいましたが,当時のことを思い出しながらチーム医療について述べさせていただきます.
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