特集 直腸がんの手術をめぐる看護 ~「食べる・排泄する・動く」をサポートする~
直腸がんの手術後,いつから運動を始められるの?
森岡 直子
1
Naoko MORIOKA
1
1静岡県立静岡がんセンター看護部/皮膚・排泄ケア認定看護師
pp.605-608
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_605
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はじめに
昨今の手術は,早期社会復帰のため,手術前から積極的にリハビリテーションを取り入れ,術後も早期離床をすることが一般化しつつある.早期離床は,術後の合併症や廃用症候群,せん妄の予防,腸蠕動運動の促進などメリットが多い.また,心肺機能の維持や筋力低下を防ぐことで,ADLを維持し退院後の生活に支障がないようにするうえで欠かせない.
しかし,手術後は適度な運動を心がける1)と述べているものの,「適度」とは個人差があり曖昧な表現である.そこで,本格的な運動というのは,いったいいつからどの程度行えるのか.明確なエビデンスはない.ここでは,直腸がんの手術に伴う身体的な影響と運動について解説する.
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