今月の主題 生体リズム
生体リズム
直腸肛門運動
小野 慶一
1
,
橋爪 正
1
Keiichi ONO
1
,
Tadashi HASHIZUME
1
1弘前大学第2外科学教室
pp.820-824
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913030
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1.はじめに
直腸肛門の運動機能のうちもっとも重要なものは言うまでもなく排便機能である.食物の排泄過程で働く機構は多くの点で嚥下運動と類似している.ともに随意筋と不随意筋の協同作用が必須であり,大脳皮質をはじめとする上位中枢および自律神経の支配を受けているため,複雑な反射運動を行うと同時に感情的刺激により変化を受けやすい。
消化器外科においては直腸の器質的疾患(直腸癌,大腸ポリポージスなど),肛門部病変を外科的に切除することがあるが直腸の切除と同時に必然的に排便機能をつかさどる各種の括約筋および骨盤内神経に損傷を生じることとなる.したがって直腸肛門部の外科において術後しばしば苦慮する点の一つは排便機能の保持でありなお解決すべき問題点が多い.
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