特集2 いまはこうする がん看護
~骨転移,口腔粘膜炎,テレナーシング~
骨転移による疼痛や骨関連事象を知る ~リスクアセスメントに基づく看護~
島田 理恵
1
Rie SHIMADA
1
1慶應義塾大学病院看護部/がん看護専門看護師
pp.34-36
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_34
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はじめに
現在,診断技術や治療の進歩に伴う早期発見や生存期間の延長により,骨転移患者が増加している1).がん罹患者の約10~20%に骨転移が生じ,とくに乳がんや前立腺がん,肺がん,腎がんなどは生じやすい.骨転移による疼痛や,病的骨折,脊髄麻痺などの骨関連事象(skeletal related events:SRE)を起こすことで患者のADLやQOLは低下する2).そのため,疼痛緩和やSRE予防のための介入は重要である.
骨転移に関する知識や介入に自信のある看護師は約20%3)と低く,別の文献では90%の看護師が患者の安静度や骨折リスク管理に悩むという報告もある4).これらから,骨転移患者の疼痛やSRE予防のための介入に悩む看護師が多いと示唆される.
本稿では,骨転移患者の疼痛やSREリスクアセスメントに基づく安全で安楽な日常生活への介入に焦点を当てて看護師の役割を述べる.
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