腫瘍と骨ミネラル代謝
骨転移に伴う疼痛のメカニズム
中西 雅子
1
1和歌山県立医科大学 病理学第一教室
キーワード:
Endothelins
,
Prostaglandins
,
骨腫瘍
,
疾患モデル(動物)
,
神経線維
,
シナプス伝達
,
水素イオン濃度
,
脊髄
,
痛覚過敏
,
癌性疼痛
,
骨痛
Keyword:
Cancer Pain
,
Bone Neoplasms
,
Disease Models, Animal
,
Hyperalgesia
,
Hydrogen-Ion Concentration
,
Synaptic Transmission
,
Nerve Fibers
,
Prostaglandins
,
Spinal Cord
,
Endothelins
pp.41-46
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2014108386
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骨転移がもたらす激しい痛みは,患者のquality of life(QOL)を著しく低下させることから,骨転移の治療において疼痛コントロールは重要な課題となっている.骨転移による疼痛には,腫瘍細胞から産生される疼痛誘発物質や,知覚神経における遺伝子発現の変化などの関与が考えられているが,その詳細な分子メカニズムは不明な点も多い.近年,癌性骨痛の動物モデルや神経細胞を用いた研究により,骨転移巣に特異的な微小環境と知覚神経との相互作用が解明されつつある.今後さらに骨痛のメカニズムが分子レベルで明らかにされることで,新たな疼痛治療薬の開発や,病態に適応した治療法の選択へとつながることが期待される.
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