特集 骨転移患者への看護のモヤモヤ,すっきりさせましょう!
モヤモヤ解消! 看護の実際
骨転移痛の疼痛治療,看護師はここまでできる!
宮川 瑞代
1
Mizuyo MIYAGAWA
1
1埼玉県立がんセンター 看護部
pp.522-526
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_522
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はじめに
骨転移痛は,患者の日常生活動作(activities of daily living:ADL)や生活の質(quality of life:QOL)を著しく低下させることから,疼痛治療は重要な課題である.近年,がん罹患後の生存期間の延長やがん罹患率の上昇により,骨転移の患者が増加している1).どのがん腫にも骨転移を生じるが,とくに乳がん,前立腺がん,肺がんは転移を生じる頻度が高いと報告されている1).ADLの低下は,患者のperformance status (PS)も低下している機能であり,結果的にがんの積極的治療に影響する.化学療法の進歩により,長期予後が望める疾患も増えるなかで,骨転移の疼痛治療は予後を変える因子ともなりうる.脊椎転移患者の約80%が痛みを伴う2)との報告もあり,看護師は日々の臨床で骨転移の疼痛治療と看護ケアを求められる場面が増加している.骨転移痛により患者のADLやQOLを低下させないためにも,看護師の適切なアセスメント,疼痛治療と看護ケアが重要となる.
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