特集2 5年目までにマスターしたい! がん看護技術
口腔ケア
大政 智枝
1
Tomoe OOMASA
1
1神奈川県立がんセンター看護局外来看護科/がん看護専門看護師
pp.320-323
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_320
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はじめに
がん治療において口腔粘膜障害は,発症頻度が高い有害事象の一つである.がん終末期においても,口内炎,口腔乾燥,口臭,口腔カンジダ症,口内出血をはじめとした口腔トラブルは出現頻度が高く,患者のQOL(生活の質:quality of life)低下につながる1).とくにこの時期においては,口腔乾燥,口渇が好発し,しばしば補液が行われることがある.しかし,日本緩和医療学会の「終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン(2013年版)」2)においては,口渇緩和を目的とした輸液は有効ではなく,ていねいな口腔ケアで対応することが推奨されている.したがって,看護師は終末期がん患者個々に合わせたケア技術を身につけ,ケアに活かすことは重要なことである.ここでは,終末期がん患者における口腔ケアの実際とその手順を解説する.
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