特集 がん患者に寄り添うコミュニケーション ~事例で学ぶ患者とのかかわりかた~
Ⅱ.コミュニケーションの実際 ~事例編~
AYA世代② がん告知後,自分の気持ちを誰にもわかってもらえないと泣く乳がん患者
野村 優子
1
1がん・感染症センター都立駒込病院看護部/精神看護専門看護師
pp.110-113
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_110
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❁ 事例紹介
Bさん,20代後半,女性.
会社の検診で要精査となり,前医を受診し,右側早期乳がんの診断を受けて数日が経過していた.治療のためU病院を紹介受診し,細胞診の結果から再度,早期乳がんの告知を受けた.乳房温存手術と術後化学療法の治療方針を説明された後,外来待合で声をあげて泣いていた.その様子を見て対応に困った外来看護師から相談され,話をきくために外来待合に行くと,Bさんが,母と妹に「わかったようなことを言わないでよ!」と怒って言い返していた.
そこで,相談員の看護師がBさんに声をかけた.「Bさんが心配なので,面談室でお話をうかがわせていただけませんか」と声をかけ,面談室に案内した.
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