特集 ゲノム医療とがん看護 ~私たちはなにを知って,なにをする?~
【がんゲノム医療の「いま」を知る!】
希少がんのための個別化治療開発 ~MASTER KEYプロジェクト~
大熊 ひとみ
1
,
米盛 勧
2
Hitomi SUMIYOSHI OKUMA
1
,
Kan YONEMORI
2
1国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科,臨床研究支援部門研究企画推進部臨床研究支援室
2国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科,先端医療科
pp.727-731
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_727
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はじめに
2017年5月に「Marker Assisted Selective ThErapy in Rare cancers: Knowledge database Establishing registrY プロジェクト(MASTER KEYプロジェクト)」1)が始まった.MASTER KEYプロジェクトの立ち上げの背景には,次世代シークエンサー(NGS:Next Generation Sequencer)の普及とともに広がる「マスタープロトコール」*1を用いた次世代の臨床試験デザインの活用,レジストリデータ*2を含めたリアルワールドデータの活用推進,および希少がん治療というアンメットメディカルニーズ*3がある.本稿で概説するMASTER KEYプロジェクトは希少がんに着目した,患者レジストリデータを含んだバスケット/アンブレラ型プラットフォーム試験といった新しい試みである.
© Nankodo Co., Ltd., 2020