特集 患者報告型アウトカム ~患者の体験をケアに活かす~
【各領域における活用の実際】
緩和ケアセンターにおけるPRO ~各部署で行う苦痛のスクリーニングと緩和ケアチームの連携~
橋口 周子
1
Chikako HASHIGUCHI
1
1神戸大学医学部附属病院緩和ケアセンター/がん看護専門看護師
pp.651-653
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_651
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はじめに
当院では,2015年より,つらさのスクリーニングを「生活のしやすさに関する質問票(神戸大学版)」を用いて実施していた.2019年度当初より,IPOS患者版(3日版)をスクリーニングツールとして用いることを検討し,2020年1月より導入にいたっている.
ツールをIPOSに変更した理由は,以下の3点である.
①従来の質問票では,症状評価をNRSで行っていたが,外科外来でのデータでは,約25%の欠損があり,つらさを拾い切れていない可能性が示唆されたこと
②緩和ケアチームでは,以前より,介入患者にIPOSを活用していたため,スクリーニングもIPOSにすることで,段階的にスクリーニングや介入効果を評価するシステムの構築が可能となること
③当院で電子カルテの更新の時期に重なり,運用面の改善が図りやすくなる可能性があったこと
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