特集 患者報告型アウトカム ~患者の体験をケアに活かす~
【総論】
わが国の臨床におけるPRO活用状況
伊藤 奈央
1
Nao ITO
1
1岩手医科大学附属病院高度看護研修センター/がん看護専門看護師
pp.618-620
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_618
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はじめに
わが国では,がんと診断された時からがん患者とその家族の身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛が汲み上げられ,適切な緩和ケアが提供されることを目的として,2014年にがん診療連携拠点病院の指定要件に苦痛のスクリーニングが追加された.苦痛のスクリーニングの実施を受けて,PRO(Patient Reported Outcome:患者報告型アウトカム)が広く使われるようになった.しかし,苦痛のスクリーニングは必ずしもPROを使用する必要はないため,臨床では医療者評価が行われている現状もある.また,PROを導入・活用するための実際上のバリアや,臨床でのPRO活用状況は明らかになっていない.そこで,わが国のPRO活用状況について実態調査を行った.本稿では調査結果について紹介する.
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