特集1 いま知っておきたい! がん治療薬12 ~くすりを知ればケアがよくなる~
カドサイラ®療法 トラスツズマブエムタンシン療法
野村 久祥
1
,
山口 眞由美
2
Hisanaga NOMURA
1
,
Mayumi YAMAGUCHI
2
1国立研究開発法人日本医療研究開発機構
2広島大学病院看護部/がん看護専門看護師
pp.22-23
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_22
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薬剤情報
薬効分類:抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体 適応:HER2陽性の手術不能または再発乳がん 用法・用量:1回3.6 mg/kgを初回は90分,2回目以降は30分かけて,3週間間隔で点滴静注 フィルター:インラインフィルターあり 血管外漏出分類:炎症性抗がん薬
主な副作用
悪心・嘔吐:low risk,脱毛なし
治療法の選択の根拠1)
日本乳癌学会の『乳癌診療ガイドライン』では,HER2陽性転移・再発乳がんに対する一次療法では,トラスツマブ+ペルツズマブ+ドセタキセルの併用療法を行うことを推奨しています.トラスツズマブ投与中もしくは投与後に病勢進行となったHER2陽性転移・再発乳がんに対する二次療法では,トラスツズマブエムタンシンの投与を行うことを推奨しています(推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:中).二次治療における本剤の予後延長効果は明らかであり,毒性も低く,有益と考えます.
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