特集 いま必要ながん看護 ~がん対策推進基本計画の実現を目指して~ 【診断・治療・ケアの実践】
がん支持療法の実践 ~多職種専門チームとの連携と支持療法センターの役割~
中島 和子
1
,
渡邉 美智代
2
Kazuko NAKAJIMA
1
,
Michiyo WATANABE
2
1静岡県立静岡がんセンター血液幹細胞移植科看護師長/がん化学療法看護認定看護師
2静岡県立静岡がんセンター化学療法・支持療法センター副看護師長
pp.653-656
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_653
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いま求められているもの
第3期がん対策推進基本計画において,「がん医療の充実」という柱で強調されている10項目の1つが「がんの支持療法」である.同じ基本計画の中で「がんの支持療法」は,「がんそのものによる症状やがん治療に伴う副作用・合併症・後遺症による症状を軽減させるための予防,治療及びケアのこと.」と定義されている1).適切な支持療法の実践は,治療の安全性や効果の向上につながるとともに身体的な苦痛症状の軽減によって患者自身の社会的役割を継続することにも寄与する.
静岡がんセンター(以下,当院)では,患者の治療にかかわる医療スタッフが苦痛症状緩和に向けて積極的に努力するとともに,スタッフからの治療やケア・症状評価などさまざまな相談に迅速に対応できるように多職種専門チームで支援を行い,支持療法の充実を図っている.また,外来診療においては,集中的に支持療法を施行する部門として2016年に“支持療法センター”を開設した.ここでは当院の多職種専門チームとの連携による支持療法および支持療法センターの運営について述べる.
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