連載 Margaret Newmanの健康の理論に導かれたとき,あなたのがん看護実践は さらに開かれる ~がん患者・家族とのケアリングパートナーシップを体験しよう~ 第6回
Newman理論に導かれた看護実践の根底に流れる倫理観~徳の倫理~
宮原 知子
1
Tomoko MIYAHARA
1
1NPO法人ニューマン理論研究実践研究会/がん看護専門看護師
pp.595-598
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_595
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多様性を尊重する医療現場では,患者や家族,一人ひとりの医療者のもつ価値観によって,より複雑な状況を生み出している.それぞれの立場の人々の価値が対立したとき,皆さんは,どのような考え方に立ち,看護師として,また医療チームとしての判断と行為を選択しているだろうか.
今回は,Newman理論1,2)に流れる倫理観――徳の倫理が,実践にどのような違いをもたらすのかという点について考えてみたい.倫理学においては,徳の倫理のほか,義務論や目的論,ケアの倫理などさまざまな考え方が説明されている.筆者は,徳の倫理だけを取り出し,臨床で生じるすべての倫理的な問題が解決されるとは考えてはいない.徳の倫理だけでなく,義務論において尊重される倫理原則やそのほかの倫理学の知識を取り込みながら,専門職である看護師の倫理的な判断はなされるべきである.その立場から,本稿では徳の倫理への理解を深め,専門職である看護師の思慮深い判断について検討する.
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