徳倫理の復興と看護の知

Restoration of virtue ethics and knowledge of nursing

　専門職を意味する英語のprofessionは「神の面前で（pro）」「誓いを立てる（fessio）」ことに由来する。その職業的誠実を直接、神に誓約するがゆえに、世俗の規範には拘束されないという意味である。そのため、professionと呼ばれる職業には、力や世評におもねることなく、欲に惑わされることもなく、みずから正しいと信ずるところに従って職を全うする責務と特権が与えられていると理解された。それゆえ、これらprofessionはお仕着せでない職業倫理を自主的に立て、自主的にこれに従う慣行を持つのである。

　看護職が自立化するとは、看護職もまた、このような意味でのprofessionになることを意味する。したがって、看護者には看護者の倫理綱領があり、これを遵守すること、いわゆるコンプライアンスが求められているのだ。